石器文化研究会:第214回例会報告

日時:2006年11月25日(土)15時〜17時
会場:神奈川県社会福祉会館4階第4研修室
出席者:16人
発表者:諏訪間順(小田原市教育委員会)
内容:「立川ローム基底部の石器群」

 今回は、「ナイフ形石器・ナイフ形石器文化を見直す―AT下位編」の第1回目として、諏訪間順氏に「立川ローム基底部の石器群」の発表をいただきました。

 諏訪間氏は今回の発表内容について、これまで「X層研究会」において検討を続け、最近では2006年岩宿フォーラム『岩宿時代はどこまで遡るか』での「旧石器時代の最古を考える『X層』研究の意義」とした発表でも議論を展開されてきました。今回の発表は、そうした一連の研究成果を踏まえて、「ナイフ形石器・ナイフ形石器文化」を見直すための礎となるものです。

 発表は、大きく5つの内容で構成されます。

 (1) 研究の方針とこれまでの経緯
 (2) 最古の石器群は何か
 (3) 層序の問題・文化層区分の問題
 (4) 石器群の問題 器種組成・石材・技術
 (5) 今後の課題

 このうち、まず(2)については、現在知られている資料のうち層位的位置づけが確実なものはすべて立川ローム基底部までにとどまり、武蔵野ローム層中から出土したものはまだないことが指摘されました。続いて、愛鷹山麓〜相模野〜武蔵野〜下総における石器群の出土層準とその対比が示されました(3)。その中で、武蔵台遺跡におけるX層の細分(Xa層、Xb層)の問題点について指摘されたうえで、(4)の石器群の問題へと議論が及びました。
 結論としては、立川ローム基底部相当の各地の石器群には、台形様石器、基部加工ナイフ形石器、石斧、石錐などがすでに出揃っていると指摘されました。

 また発表後は、層位の問題、研究史の問題、武蔵台遺跡における文化層・石器群の区分の問題などについて、参加者からのコメントをいただきました。十分な時間を取れなかったこともあり、議論を深めるまでには至りませんでしたが、諏訪間氏が提示された今後の課題、石器器種の分類と名称、剥片剥離技術など、石器群の内容に踏み込んだ議論は、引き続き、例会において検討を続けて行きたいと思います。(記録・野口)

参考文献・資料:
・ 諏訪間順 2006 「旧石器時代の最古を考える『X層』研究の意義」『2006年岩宿フォーラム/シンポジウム「岩宿時代はどこまで遡るか −立川ローム層最下部の石器群−」予稿集』
http://hpcgi2.nifty.com/HAYAKASA/godhand.cgi?df=hune3.log&keyno=0404


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